「手数料競争をしているつもりはなくて、資産形成ビジネスをちゃんとやろうとしている」
12月12日に行ったauカブコム証券の齋藤正勝社長と、じぶん銀行の臼井朋貴社長の対談で、齋藤社長が話した。手数料値下げによって競合に打ち勝つということではなく、SBIホールディングスが「3年以内に無料化」を打ち出したように、無料化は業界全体の潮流だという考えだ。
投資信託やETFの手数料も無料化しているが、信用取引の無料化に踏み切った背景として、信用売りによるヘッジを普及させたいという思いがある。
「(信用売りを使った)ヘッジは、難しそう、大変そうというイメージを変えていきたい。保険的に信用取引を活用してほしいという思いもある。信用取引は金利や貸株料などの収益もある。無料化はビジネス的にやりやすいところからやっていく」
無料化だけでなく手数料の定額化なども検討するというが、狙っていくのは個人投資家に対する収益の提供だ。「個人はどうしても高く買って安く売る形になってしまう。プロのようなリスク管理機能をソリューションとして提供していく。ロボアドバイザー的に、絶対パフォーマンス追求型のようなサービスを考えていきたい」(齋藤氏)
売買手数料のようなブローカレッジ業務の収益が薄れていく中、ロボアド的なアセットマネジメント事業、また同社が提供するAPIを生かして証券プラットフォーム化する構想も披露した。
「APIが重要だ。手応えを感じてきている。当社のように(株式売買が行える)APIを公開すれば、誰でもこのプラットフォームを使って注文できるようになる。いわば逆フィンテックだ。2020年にかけて、大ブレークするのはAPI」
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