ローソンの強盗被害が減少している。2019年度の強盗件数は29件(対前年比4件減)、1件当たりのレジ被害額は1万7000円(同6万8000円減)だった。同社の竹増貞信社長は11月12日、経済産業省で開催された「コンビニ本部ヒアリング」の場で、強盗被害が減ることが夜間に働く従業員の安心にもつながるという趣旨の発言をしている。背景には何があるのか。
広報担当者によると、19年2月末までに全店に導入された新型POSレジが効果を発揮しているという。この新型レジは、自動釣銭機や多言語(日本語含む4カ国語)でのナビゲーション機能を搭載。これまで通り店員がレジ操作を行えるだけでなく、お客がレジ操作を行う「セルフモード」に切り替えることも可能だ。
新型レジは、従業員が自由にお金を出し入れできないようになっている。広報担当者は「お買い物による金銭授受に伴うおつりしか出てこない仕組みになっています」と説明する。従来のレジのように、会計の際にドロアーを開いてお金を手作業で入れるタイプではないので、被害が減少しているという。
また、強盗犯は犯行の前に店舗の下見を行うとされている。下見の際、新型レジを見て犯行を諦めている可能性があるのだとか。ちなみに、19年度に発生した強盗事件は29件だが、未遂率は約70%。これは、強盗がお店に押し掛けたが、結局盗めなかったケースが7割を占めていることを示す。
強盗被害が減った要因は別にもある。ローソンでは、お客の顔を見て笑顔であいさつすることを励行している。あいさつが適切に行われるように周知徹底することも、強盗件数の減少傾向に寄与しているという。
新型レジは生産性の向上だけでなく、意外なところでも役に立っているようだ。
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