「蛇口から出てくる桃ジュース」がヒットしたのは偶然ではない、そう感じたワケ不定期ショート劇場(2/4 ページ)

» 2019年12月29日 07時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

2.2万リツイート、3.7万いいね

簑島: 蛇口からジュースが出てきて、それを販売する――。このような商品を扱うのは初めてだったので、右も左もよく分からなかったんですよね。容量はどのくらいにすればいいのか、価格はいくらにすればいいのか、オペレーションはどうすればいいのか。マニュアルがないので、何をすればいいのかよく分からない。

 「分からないからやめようか」と言っていてはダメなので、すでに同じようなサービスをしているところに足を運んで、話を聞かせてもらえないかと考えました。いろいろ調べたところ、東京駅の近くにある愛媛県のアンテナショップで、蛇口からミカンジュースがでてくる商品を扱っていることが分かってきました。

 時間があまりなかったので、アポを取らずにお店に行って、このようなことを言いました。「蛇口から桃ジュースが出てくる企画を考えていまして、オペレーションなどを教えていただけないでしょうか?」と。不躾なお願いであることは重々承知していたのですが、店長さんは快く対応してくれました。「飲む場所が離れていると、こぼす人が出てくるので、カップにストローをさすなど工夫が必要」といったアドバイスをいただきました。

 そんなこんなで、発売初日を迎えることができました。で、どうだったのか。事前に告知はしていたものの、大々的な宣伝をしていたわけではありません。ということもあって、スタッフの間では「ちょっと売れればいいよね」といった話をしていました。1日限定1000杯という形で販売して、初日は200杯ほど。「まずまずだね」と言っていたところ、2日目は600杯、3日目は14時くらいに完売しました。

土肥: あっという間に火がついたわけですね。一体、何があったのでしょうか?

簑島: 初日に飲んでくれた人から、Twitterで以下のようなつぶやきがありました。「み、みんな見てくれ!秋葉原の日本百貨店前に桃ジュースが出る蛇口あったよ!今日からだって!超ジューシー!!!!」と。すると、すぐに話題になったんですよね。「2.2万リツイート、3.7万いいね」となって、ものすごく盛り上がりました。

 行列は店内だけでなく、店の外にまで。ピーク時には100人ほどが並んでいました。ハンドルをひねって、コップにジュースを入れる。その作業で終わることはなくて、ほとんどの人は写真を撮ったり、動画を撮ったり。並んでいるお客さんは長時間待つことになるので、行列ができているところにモニターを設置して、映像を流しました。

土肥: 待っている間も、退屈に感じないようにしたわけですね。

岡山産の桃を使ったジュース

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