ゴーン国外逃亡で考える、日産前社長の西川氏が逮捕されない理由と検察の劣化(前編)専門家のイロメガネ(3/6 ページ)

» 2020年01月30日 11時40分 公開
[中嶋よしふみITmedia]

ゴーン氏が国外逃亡を決めた3つの理由

 ゴーン氏の弁護団を務める高野隆弁護士は、国外逃亡を非難しつつもゴーン氏が逃げることも理解できる、とその心情を自身のブログでつづった。ゴーン氏の弁護人である以上、かなり差し引いて読む必要はあるが、実質的に自白を強要されたこともゴーン氏は会見で主張している。

 これが事実であれば、取り調べが言葉通りの「取り調べ」ではなく、有罪を認めるように迫る強要であり、証拠を元に有罪・無罪を裁判所が判断する司法の仕組みを踏み外している。しかもそれは今に始まったことではなく、昔から散々批判されてきた問題だと多数の弁護士が指摘する。

 筆者は弁護士ではないので司法に関してはこれ以上述べないが、高野弁護士のブログではゴーン氏が日本国内で公正な裁判を受けられるのか? と不公平な扱いに不満を繰り返し訴えていたとある。ゴーン氏がここまで不満を訴えている理由は、大きく分けて3つある。

ゴーン氏の弁護人を務めた高野弁護士のブログ

 逮捕のタイミング、逮捕容疑、そして西川前社長が逮捕されていないことだ。

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