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» 2020年01月30日 16時00分 公開

専門家のイロメガネ:報酬5億円でゴーンの暴走を放置した西川前社長の責任(中編) (1/5)

メディアでは一斉にゴーン批判の嵐が巻き起こったが、仮に暴走していたのであればそれをとめる役目を負うのは役員であり、その最高責任者は日産の代表取締役社長兼CEOの西川氏にほかならない。ゴーン氏が犯罪を行って逮捕・起訴されたのであれば、西川氏もセットで逮捕されるべきで、西川氏が逮捕されないのであればゴーン氏の逮捕もあり得ないはずだ。

[中嶋よしふみ,ITmedia]

 2018年11月19日、当時日産の会長だったカルロス・ゴーン氏が退職金の虚偽記載で緊急逮捕されて世界中に衝撃が走った日、社長を務めていた西川廣人氏は一人で会見を行った。日産を食い物にしたとゴーン氏を非難をする西川氏は、ゴーン氏に権力が集中していたから起きた事件であるという説明をした。

 メディアでは一斉にゴーン批判の嵐が巻き起こったが、仮に暴走していたのであればそれをとめる役目を負うのは役員であり、その最高責任者は日産の代表取締役社長兼CEOの西川氏にほかならない。

 前編に引き続き、中編ではなぜ西川氏にも問題があるのかを整理してみたい。

当時、日産の代表取締役社長兼CEOだった西川氏(写真 19年7月の決算会見 ロイター)

 前回の記事で指摘した通り、ゴーン氏が犯罪を行って逮捕・起訴されたのであれば、西川氏もセットで逮捕されるべきで、西川氏が逮捕されないのであればゴーン氏の逮捕もあり得ない。

 西川氏は「1人の個人に権限、力が集中しすぎた点」がゴーン体制の問題で、今後修正すべきと会見で語った。日産にガバナンス上の問題があったことは間違いないのだろう。当然、その責任が長年トップを務めたゴーン氏にないはずはない。ではその「力が集中しすぎた」という問題を西川氏はどのように正そうとしたのか。

 西川氏については、逮捕時の会見、辞任時の会見、そして自宅前のインタビューで多数の発言が報じられているが、ゴーン氏に問題点を注意したり、何度も繰り返し諌(いさ)めたりしたが聞き入れられなかった、といった話は筆者が調べた限り確認できない。

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