――コンテンツの内容も、既存メディアとは全く違うものですよね。
既存メディアでは、色んな人と一緒に番組を作っていくので、僕一人の責任で番組が成り立つことはありえません。しかも尺があって、その中で、老若男女問わず、野球を全く知らない人に対しても、野球の魅力や野球の難しさを伝えないといけません。でもYouTubeは、自分の好き勝手にできます。別に嫌な人は見てくれなくていいので(笑)。
――里崎さんは、YouTube内でも野球ビジネスに関して歯に衣着せぬ発言をしていますが、発言に気を使うことはないのでしょうか?
一切ないですね。僕は忖度(そんたく)する人をはじめから決めているんです。僕が忖度をする人は、僕にお金をくれる人と、その先にいる顧客だけ。例えば、ユニフォームを着ている人に忖度して、「里崎はイイ人だ」と思われたところで、その人たちは僕にご飯を食べさせてくれるわけではないですからね。僕にご飯を食べさせてくれる人は、僕にお金を払ってくれる人と、その先にいる顧客だけですから。
――「その先にいる顧客」というのを具体的に言うと?
例えば、ラジオだったらリスナーですよね。テレビだったら視聴者だし、イベントだったら、そのイベントに来場する客が「その先にいる顧客」です。
――完全に振り切っていますね。
別に誰にどう思われようが関係ないですからね。逆にいうと、それがウケているというのもあると思うんですよ。これは僕の見方ですが、テレビでもマツコ・デラックスさんとか、坂上忍さんとか、本音でトークしたり、さらけ出したりすることがウケているじゃないですか。今はそういう世の中なんですよね。
その理由を分析すると、世の中の人がスマホで何でも調べられるようになって、本当のことを自分で探せる時代になっちゃっているんです。だから、まどろっこしいことやウソを言ってもバレちゃう。世の中の人が、本当のことを知りたいというマインドになってきているんですよ。そういうマインドの人たちに、僕がちょうど合っているんだと思います。
「本当のことを知りたい! でもスマホに載ってない、調べられない。あ、里崎がいるやーん」というのがハマっているんですよ。マツコ・デラックスさんも、調べられないことや、知りたいことをはっきりと言うじゃないですか。本当のことを教えてくれるじゃないですか。本当にラッキーなんですけど、僕は時代に合っているんです。
――自分のことを客観視していることに驚かされます。そのようなマインドになったのは現役時代からでしょうか?
僕はずっとこんな感じですよ(笑)。子どものときから親によく言われたんです。「智也は自分以外のことには興味がないからな」って。それくらい僕は自分のことに興味があって、あまり人のことは気にしないんですよ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング