――では、最後に一つ聞かせてください。WBCで結果を出したあのときに心掛けていた 勝負哲学とはどんなものだったのでしょう?
周りのことを一切気にせずに、自分が正しいと思ったことをやる。これだけでしたね。ピッチャーには8球連続でインコースを要求したりもしましたが、とにかく自分が正しいと思ったこと、イケると思ったことをやりました。周りにどう思われても関係なかったんですよ。
誰かを気にしたり、誰かを意識したりして、自分の考えを曲げることは一切なかったですね。それで負けたとしても、それが僕の力。それは野球でも人生でも一緒ですね。もし失敗しても自分で責任をとればいいだけです。自分の責任は自分でしかとれませんからね。
以上が里崎智也へのインタビュー内容だ。
インタビューの前編記事「WBCで日本を優勝に導いた里崎智也が語る『プロ野球ビジネスのオモテとウラ』」では、雇用される選手としての立場と興行ビジネスを行う経営者側の立場の違いを的確に捉えながら、プロ野球界全体の発展に何が必要かを語ってもらった。今回の後編では、里崎氏の勝負強さの裏にある、ピンチの状況にある人間が取りやすい行動パターンを利用したシンプルで迷いのない思考法に触れた。
これらのインタビューから、里崎氏は、常に物事の表と裏、つまり「二面性」を的確に捉えているように思う。このような捉え方をすると、どちらの立場に立つべきかという迷いを生じさせかねないが、里崎氏はそこに「自分自身の考え」という強烈な判断基準を持っていた。だからこそ、悩むことなく組織のため、そして自分のために成果を出すことができたのだろう。
里崎の言葉には15年もの間、プロの厳しい世界を生き抜いてきた独自の生存戦略が詰め込まれている。読者もビジネスパーソンとしての戦略を考えるきっかけにしてみてはいかがだろうか。(敬称略)
瀬川泰祐(せがわ たいすけ)
1973年生まれ。北海道出身。エンタメ業界やWeb業界での経験を生かし2016年より、サッカー・フットサルやフェンシングなど、スポーツ競技団体の協会・リーグビジネスを中心に、取材・ライティング活動を始め、現在は、東洋経済オンラインやOCEANS、キングギアなど複数の媒体で執筆中。モットーは、「スポーツでつながる縁を大切に」。Webサイトはこちらから。
WBCで日本を優勝に導いた里崎智也が語る「プロ野球ビジネスのオモテとウラ」
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