コラム
» 2020年02月17日 05時00分 公開

100円ショップ界屈指の高利益率を誇るセリア “安くておしゃれ”の裏に隠れた緻密な戦略とは営業利益率は競合の数倍(3/3 ページ)

[鬼頭勇大ITmedia]
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1粒で二度おいしい食品“不売”戦略

 セリアでは、多くの店舗で飲料など食品類を販売していない。「食品類は単価が高く、利益率が低い。製菓材料などは販売していることもあるが、基本的には(食品は)ない。これで仕入れ原価が大幅に下がる」と田中氏は話す。

 また、食品を販売しないことは利益率以外にもよい効果をもたらしている。それが出店戦略だ。かつては路面店が多かっだが、百均店の増加により集客に陰りが出てきた。そこで、近年は集客を見込みやすい商業施設内での出店も増えている。

 実際、お客の要望も多いことから商業施設やデベロッパー側もオープン時などに百均の誘致を考えるところは多い。その一方で、テナント側からは施設のブランドや、特にスーパーが飲料などの販売で競合することを意識して百均の誘致に否定的なケースも多いのだという。しかし、セリアでは先述したように食品類を販売していない店舗が多い。このことから、商業施設に新規出店しやすいという効果が出ているという。

セリアが固守する百均の“原点”

 百均の中でも、最近は100円より高い商品を販売するケースが増えてきている。ワッツでは、ここ数年で高価格帯の商品を販売開始。「原価が高いことから100円で売れない商品がある」(ワッツ担当者)として、販売する商品のラインアップを拡充するのが主な目的だ。同様にキャンドゥでも、20年7月から200〜500円の価格帯で商品を販売することを予定している。

キャンドゥは20年7月から、100円以外の商品を展開する(出所:キャンドゥ2019年11月期決算資料)

 一方のセリアは、今までもこれから当面も「100円均一」を貫くつもりでいるという。「100円の売価を崩さないのは百均にとってお客さまとの約束。値段を見なくても安心して買い物できるのがそもそものテーマ」と田中氏は話す。

店内にある商品は全て100円(提供:セリア)

 データを駆使し、食品を販売しないなど、先進的な取り組みをしつつも百均の“原点”を守り続けるセリア。“安くておしゃれ”だけでなく、今後は「何を買っても1つ100円」という“安心感”も武器にし、どのような成長をしていくのだろうか。

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