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橋下徹が実践してきた「部下の動かし方」 会議は「獲得目標の設定」を、評価は「見える化」を徹底せよ橋下徹“異端”の仕事術【5】(2/5 ページ)

» 2020年02月21日 02時46分 公開
[橋下徹ITmedia]
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評価は「基準の見える化」が鉄則

 20代で社会人生活をスタートし、仕事を覚え、上達し、そうして迎える30代、40代は、最もビジネスパーソンとして脂が乗る時期です。僕自身を振り返ってみても、 30 代半ば〜40代半ばくらいまでは、特にエネルギッシュに働いていて、「どんな困難でも乗り越えてやる」という情熱がみなぎっていました。

 大阪維新の会も、現在40代の若手が中心的立場となっており、50代以上のベテラン層は若手のサポート役に回ることで、活気のある組織運営が実現しているようです。世界各国に目を向けてみても、 40 代で指導者や幹部に就く人が増えてきています。

 今や年功序列の制度の下で、年齢を重ねれば高位のポストに自然に就けるという時代ではなく、実力ある者が高位のポストに就く時代です。現に30代で管理職に就任し、年上の部下を持つという話も、珍しいことではありません。僕も 38 歳で大阪府知事に就いたときには、部下である幹部職員は皆、年上の人ばかりでした。

 このように若いうちにリーダーや管理職層に就任した場合に、業種を問わず共通する悩みは、やはり人をどう動かしたらいいかということでしょう。人を管理する立場になって初めて経験するマネジメントの難しさというものです。

 まず、すぐに実行できるものとしては、役職にかかわらず、年上の人にはきちんと「さん」づけで呼び、丁寧語で話すことです。また、年下の部下には、兄貴分的に接することのほうが人間関係を円滑にすることもあるかもしれませんが、これからの時代は注意が必要です。そのような関係を好まない若者も増えています。

 あなたを基準に考えてみてください。年上だからといって、兄貴分的に振る舞われることにどう感じるでしょうか。もしあなた自身が嫌なら、同じことは年下の部下にもしないことです。

 さらにあなたの役職がどんどん上がり、最高幹部に近くなれば近くなるほど、年下の部下には丁寧に接するべきです。役職が上がれば、それにつれて権力も強く、大きくなります。力の強い者の態度・振る舞いは、自身が気付かない中で、力の弱い者に多大な影響を与えてしまうものです。パワハラが非常に厳しく問われる現代社会にあっては、役職が上がるにつれて、部下に対して丁寧に接する必要性が高まります。 

 また最高幹部などの権力を持った人が、部下に対してあえて丁寧に接するという態度・振る舞いは、思った以上に、部下からの好印象につながるでしょう。

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