1月には案件単位ではなく、トラックの空きスペースをマッチングするサービスも開始した。行程と立方メートル単位で空き容量を登録し、他社の荷物も運ぶ仕組みだ。
リベロが引越し業者の間に入り、業務効率を最適化する仕組みはこれにとどまらない。現在、ダンボールの回収業務をマッチングする仕組みも展開中だ。引越し後、使ったダンボールは業者が回収するが、遠距離の場合、回収だけのためにトラックと人を割くのは大きなコストだ。これを地元の業者に依頼することでムダを省く。
さらに繁忙期と閑散期で大きな差が出るという、業界特有の課題を生かした取り組みも始める。宅配業界は慢性的にパンク気味だが、引越し業者は閑散期の仕事がほしい。「閑散期に、重い宅配便の荷物を、引越し会社がマッチングして運ぶという話が進んでいる」と鹿島氏は明かす。
地元密着業者が多く、参入障壁が低い、付加価値による差別化が難しいといった特徴を持つ引越し業界では、なかなか業界内での交流も少なく、共同で仕事を調整するということもできなかった。HAKOPLAなどの仕組みを通じて、リベロが業界のハブとなり、引越し業者の会合を主催。業界全体で効率化を進めていく意向だ。
「引越し難民問題の解決は、繁忙期のためだけにトラックや人の数を増やすことはできない。1社1社のロスをなくすのももう限界。業界全体のロスをなくして、供給量を最大限に増やすことで解決したい」と、鹿島氏は思いを話した。
「引っ越し難民」問題 引っ越しできても料金高騰か
ヤマト運輸、10月から運賃・料金値上げ キャッシュレスと現金で金額異なる
運送業の人手不足は一層深刻に 関連倒産率は他業種の3倍
厚労省“ブラック企業リスト”更新 「引っ越しのサカイ」支社が追加
京急踏切事故で垣間見えたトラックドライバー業界の「構造的な闇」とはCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング