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» 2020年03月26日 05時00分 公開

利益率向上と働き方改革を実現:「職人が現場で宴会」「甘すぎる見積もり」 潰れそうだった建設会社をITで立て直した社長の紆余曲折 (3/6)

[昆清徳,ITmedia]

IT化で自信を深めた

 毛利社長は営業、設計、施工管理、会計、工場の生産管理など必要な業務を経験したことで、業界の抱えるさまざまな課題が見えてきた。そんなある日、毛利社長がITを活用した業務改善に自信を深めた出来事があった。

 取引先から、パチンコ店の消火設備工事の相談があった。予算は1億2000万円(見込まれた原価は1億1000万円、ホーセック側の粗利は1000万円)で、必要な職人数は1500人(1日当たり30人×50日)。通常、必要な予算が1.5億円と思われた案件だったため、父親や幹部は断ろうとしていた。

 しかし、毛利社長には勝算があった。

 「当時、現場で使う図面は精度が低く、職人も図面通りにしないことが多かったです。そのため、作業の手戻りが一定数発生していました。そういった前提なので1億2000万では割にあわないと上層部は考えていました。しかし、現場の施工管理にITを導入することで、私は効率化できると判断しました。新しい挑戦を一緒にできる職人がいたことも心強かったですね」

 蓋を開けてみると、現場の職人数は500人(1日当たり10人×50日)、原価は7000万円で済んだ。当初見込んでいた粗利は1000万円だったが、5000万円も確保できた。同じような仕組みは他の現場にも応用できるようになった。

 この成功体験を踏まえ、毛利社長は社内の業務フローや現場管理のIT化を強力に推進しようと考えるようになった。この取り組みには、システム会社を経営していた兄も協力したという。2008年ごろのことだった。

 その後もさまざまな経験と実績を積み、毛利社長は父親から会社を引き継ぐことができた。

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