入社した毛利社長は、さまざまな“惨状”を目の当たりにしたという。
例えば、約5000万円で受注したある工事では、見積もりが甘すぎて実際には9000万円近くかかってしまったという。原因を探っていくと、「現場の職人が働かずに宴会していた」「現場監督が管理をしていない」「工事で使う材料を別の現場に横流ししている」といった疑惑が出てきた。ホーセックの担当者はずっと「問題ない」と会社に報告していた。
現場の親方を呼びつけて問いただしたところ「悪いとは思ってるよ。でも、しっかりしていないお前らも悪いだろう」と開き直られてしまったという。父親も幹部もその親方を信頼していただけに、ショックは大きかったそうだ。
経理などの社内業務にも無駄が多かった。毛利社長は「取引先ごとに異なる請求書のルールがあり、業務が煩雑になっていました。請求書などのルールをしっかり理解している社員がほとんどおらず、何度も作成しなおしていたのです。しかも、請求書は手書きだったので時間もかかっていました」と振り返る。各種入金や現場で働く職人などへの支払いもずさんだったという。
このように、社内の業務フローや現場管理に課題が多かった。
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