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» 2020年03月29日 07時05分 公開

家庭用プロジェクターの“ウザさ”を解決 家族で楽しめる「popIn Aladdin」開発秘話あの会社のこの商品(2/5 ページ)

[大澤裕司,ITmedia]

IoT技術を使って子どもの世界観を広げたい

 popInは08年7月に誕生した東京大学発のベンチャー企業。コンテンツレコメンドエンジンや、インターネット広告やスマートフォン広告を配信するプラットフォームをメディアに提供することを本業としている。15年に中国の検索大手、Baidu(百度)の日本法人であるバイドゥと経営統合し、バイドゥの100%子会社となった。

 メーカーではないpopInが「popIn Aladdin」を開発することにしたのは、創業者である程涛社長が16年に、「IoT技術を使って子どもの世界観を広げることができないか?」と着想したことがきっかけになった。

 程氏には3人の子どもがおり、当時の年齢は上から5歳、3歳、1歳。家で過ごす時間が長く、家の中に五十音表を張り、ひらなが・カタカナを学習するなどしていた。子どもたちのそんな様子を見て、「IoT技術を使えば子どもの世界観が広げられる」と考えた。当時はBaidu本社やAmazonからスマートスピーカーが発売されたころで、程氏はIoT技術に大きな可能性を見出していた。

 子どもの世界観を広げたいと考えている理由を、程氏は次のように話す。

 「人間が生きていく上で世界観、価値観、人生観の3つはとても重要だと思っていますが、親が子どもにできることは世界観づくりを支援してあげること。いろんな世界があることを教えて視野を広げ、自分の世界観がつくれるように助けることです。子どもにいい人生を送ってもらうには、親は子ども独自の世界観をつくるのを手助けするために世の中のあらゆるものを見せてあげることが大事です」

 子どもの教育に役立つものをはじめ、さまざまなコンテンツを毎日壁に投影できる空間を実現するIoT製品の開発を思い立った程氏。早速、家電量販店で売っていた家庭用プロジェクターを購入。試しに家の壁にいろんなコンテンツを投影してみたが、いきなり2つの課題に直面した。

 1つ目の課題は電源の供給。プロジェクターを部屋に設置するとなると、電源コードが邪魔になる。2つ目の課題は設置場所。使用時に子どもがプロジェクターの光源をのぞいてしまいかねず危ない。

 これらの課題を解決しない限り、製品化はほど遠い。課題解決に至ることなく半年ほど経過したが、たまたま天井を目にしたとき、照明器具を取り付ける引掛シーリングに設置できれば課題が一気に解決できることに気付く。引掛シーリングには5キログラムまでなら取り付けられる。

 程氏は早速、自宅の天井に手づくりの試作機を取り付けテスト。試作機が4つ目あたりになると家族が満足するようになったことなどから、製品化をバイドゥに提案したところ承認され、事業として取り組むことになった。

程氏手づくりの試作機の4代目(バージョン4)を自宅の天井に取り付けたところ

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