家庭用プロジェクターの“ウザさ”を解決 家族で楽しめる「popIn Aladdin」開発秘話あの会社のこの商品(4/5 ページ)

» 2020年03月29日 07時05分 公開
[大澤裕司ITmedia]

クラウドファンディングに2回チャレンジした理由

 完成した「popIn Aladdin」の試作機を、popInは17年10月に開催された「CEATEC JAPAN 2017」に出品する。来場者の反応の多くは「面白い」と好意的に評価。終了後、外部との連携も進みコンテンツが増えていった。

 しかし、評価は高くても売れるとは限らない。テストマーケティングの意味でクラウドファンディングにチャレンジすることにした。

 クラウドファンディングには2回チャレンジし、2回とも目標を達成する。だが、なぜ2回もチャレンジしたのだろうか? その理由は、事業を展開するに当たり、子どもの教育とエンタメのどちらでニーズが高いかを把握するためであった。「1回だけだと、どちらの用途で売れるのかが分かりにくいので、2回に分けて実施しました」と程氏は話す。

「popIn Aladdin」を開発したpopInの程涛氏

 クラウドファンディングのチャレンジが終わってから量販店での一般販売が始まるまでの間は、「popIn Aladdin」の公式サイトで購入予約の受付を行う。予約を受け付けている間に、最終的な仕上げと量産の準備を進めた。

 組立と出荷前検査を請け負うことになったのは、ソニーのPC事業を承継して誕生したVAIO。日本企業の高い品質を求めてVAIOに決めたが、VAIOにはプロジェクターやシーリングライトの生産経験がない。購入希望者に早く届けるため、プロジェクターとシーリングライトはpopInで調達し、組立と出荷前検査をVAIOに委託することにした。

通常の図鑑では見ることができない等身大のサイズで見ることができる「等身大動物図鑑」

 プロジェクターは親会社のBaiduを通して中国のトップメーカーと交渉し、その会社から供給を受けられることになった。シーリングライトについては、程氏がネット検索でOEM(相手先ブランド供給)生産に対応する企業を探したところ、照明器具をつくる中国企業を見つけ、協力を取り付けた。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.