2016年いっぱいで解散した国民的アイドルグループ「SMAP」のリーダーだった中居正広さんが、3月末日をもって所属のジャニーズ事務所を退所します。2月に「退所会見」を開いて事務所からの独立を明らかにした中居さんですが、SMAP解散時にも独立を取り沙汰されながら事務所の中心的グループのリーダー独立による影響を考えて、ここまで残留したといわれています。
その観点を踏まえれば、今回の退所はある意味でジャニーズ事務所が作り上げた男性アイドルグループ・ビジネスが、一つの曲がり角に来たことの象徴ともいえそうです。故ジャニー喜多川氏が1代で築き上げたジャニーズ・ビジネスを検証し、今後の展開を占ってみたいと思います。
ジャニーズ事務所はよく知られるように、ジャニー喜多川氏が1962年に日本初の男性アイドルグループともいわれる「ジャニーズ」を擁して設立した芸能事務所です。その後、フォーリーブス、郷ひろみ、田原俊彦、近藤真彦、少年隊……と断続的に売れっ子を輩出し、芸能事務所として一定の地位を築き上げてはいたものの、圧倒的な存在感をもって業界に大きな影響力を持つようになったことは、90年代以降のSMAPの成功抜きには語れないでしょう。
SMAPのビジネスモデルは、「歌って踊る」男性アイドルグループの概念を大きく覆すものでした。俳優もやる、バラエティもOK、コントにまでも手を出し、さらには番組MCも……。この戦略により、SMAPの「商品」としての価値は増大し、合わせて商品寿命も圧倒的に長くなったと言えます。下の表にあるように、SMAP以前とSMAP以降のグループでは戦略が異なるが故に、SMAP以降のグループの活動期間が圧倒的に長期化していることが分かります(SMAP以前ながら少年隊だけは、SMAP同様の拡大戦略をとったことで活動期間が長期化しています)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング