しかし15年以降、大きな変化が現れます。まず15年に勃発したSMAP独立騒動。これは結局、16年末にメンバーが一切無言のまま解散するという後味の悪い結末を迎えます。その後18年にはTOKIOのメンバーが不祥事を起こして契約解除に。その他のグループでもこれと相前後してメンバーの脱退、独立が相次ぎ、“鉄壁”を誇ったジャニーズ帝国はせきを切ったようにほころびを見せはじめました。そしてそのトドメを刺したといえるのが、SMAPの後継者的立ち位置で国民的アイドルグループに上り詰めた嵐の活動休止宣言でした。なぜこんなにも急激に、ジャニーズ・タレントたちを激動の波が襲ったのでしょうか。
男性アイドルグループを「一つの商品」として考えてみることで、その解答が見えてきます。商品ライフサイクルという補助線を引いてみましょう。つまり、あらゆる商品には寿命があり、一定のサイクルを経て次の商品へのバトンタッチを余儀なくされる、というものです。米国大手のボストン・コンサルティングファームは、「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)理論」で、商品ライフサイクルのありようを説明しています。図にあるように、商品はまず投資が先行する「問題児」という段階からスタートし、投資が花開くとさらに投資を重ねながら一層のシェア拡大をめざす「花形」になります。シェアが拡大しきると、ピークアウト段階として投資をせずに安定的な収益を生み出す「金のなる木」に移行。そして徐々に「負け犬」という撤退期に移行して商品寿命を終えることになるのです。
従い、1つの商品で最大の利益を上げられるように管理しつつ、上手に売り抜いて次なる商品へのバトンタッチをしていくことが重要になります。一連のサイクルの長さは商品ジャンルによって異なるわけですが、共通するのは「金のなる木」期への移行を察知し、この時期になったら投資を控えて次なる新商品の投入(つまり、新たな「問題児」の投入)をはかるということが、永続的な成功に向けて必要になってくるわけです。商品がピークアウトしているのに投資を続けそのまま「負け犬」期への移行を黙って見過ごしていくならば、シェア縮小をはじめ商品イメージの陳腐化などを引き起こし、最終的には企業ブランドすらも毀損(きそん)させうるリスクをはらんでいるのです。
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