アビガンはインフルエンザの薬だが、他の抗インフルエンザ薬と違う部分がある。タミフルにように、インフルエンザにかかった患者に病院ですぐに処方されるわけではなく、他のインフルエンザの薬が効かない時に、初めて使える薬であることだ。
アビガンは他のインフルエンザ薬が無効、または効果が不十分な新型もしくは再興型のインフルエンザが発生した場合で、なおかつ国が承認した場合のみ使える、つまり他に対応する手段が無いと判断されたインフルエンザに限定して使われる薬である。
なぜ、他の薬と違って、アビガンはすぐに医療機関が処方できないのか? アビガンの審査報告書を読むと、アビガンの「催奇形性(さいきけいせい)」というリスクがその理由の一つと考えられる。
治験の前段階に、動物を使って試験を行うと説明した。動物にアビガンを投与した際、胎児に奇形が生じる可能性が確認されている。これを催奇形性という。注意が必要なのは女性だけではない。催奇形性を有するアビガンは、服用後、男性の精液中へ移行することも分かっている。
さらに、治験とは別の「観察研究」という形で、アビガンを使用することを安倍首相が記者会見で述べていた。観察研究であれば、医師がアビガンを使うことを希望し、医療施設の倫理委員会で許可されれば、「研究」としてアビガンが使用できる。国として使用を拡大する方向であることは間違いない。
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