「若い社員ほど、Web会議に顔を出したくないと言ってきている。困ってます」と電話で相談してきたのは、筆者がコンサルティングしている中堅企業の営業部長だ。新型コロナウイルスの影響で、同社は従業員の大半が在宅勤務となった。リアルな会議ができなくなり、ちまたで普及している「Web会議」を取り入れた形だ。
最初は、「便利だね」「リアルよりオンラインのほうがいい」という意見が多く、大半がポジティブに受け止めていた。にもかかわらず、在宅勤務を導入して1週間が経過したころから、少しずつ不満が出てきたという。
特に多いのが、冒頭の「顔を出したくない」というものだ。在宅勤務で普段着だからとか、化粧をするのがおっくうだからとか、「ホンネ」を口にする従業員もいたようだが、「声」だけの参加で何が悪いのか、と論破を試みてくる部下もいるそうだ。
確かに、なぜ会議に「顔」を出さなくてはならないのか。リアルな会議ならともかく、せっかくWeb上で実施するのだから、「声」だけで参加してもいいではないか。そう指摘されたら返答に困る人も多いだろう。これに対し「会議なんだから、そりゃあ、顔は出さなくちゃいけないだろう。そういうもんだ。昔から決まってるんだから、文句言うな」といった回答をしても、誰も納得しない。
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