ここで、人間の優先的に使う感覚――「優位感覚」について少しだけ触れよう。人間は、五感を使って外部と接する。ざっくりいうと、そのときに自分がどの感覚を多く使う傾向にあるか、を示すのが優位感覚だ。
「視覚(Visual)」「聴覚(Auditory)」「体感覚(Kinesthetic)」の3つがあり、自分の優位感覚によって、物事への接し方も変わってくる。例えば視覚優位な人であれば、物事を映像で記憶することが多い。「体感覚優位」の人であれば、体を動かすことを通して記憶しやすい。
経営者をはじめ「権威者」の多くが「視覚優位」といわれている。常に会社の「ビジョン」として、未来にあるべき姿をイメージして経営している社長や経営陣、幹部は「視覚優位」になりやすいのは当然かもしれない。
視覚優位だからこそ、音声だけでなく、顔も見ながら会議をしたいと考える。また、統制範囲の原則(スパンオブコントロール)*の考え方からすれば、20人も30人も会議に呼ぶことで統制がきかなくなるにもかかわらず、「視覚的に威厳を誇示したい」という理由などから、上位役職者ほど人を集めたがる傾向にあるのだ。
*統制範囲の原則(スパンオブコントロール)とは、1人の管理者が管理できる部下の人数には限界があり、この人数を超えると管理効率が低下するという原則を指す
役職上位者の多くが「顔」を見たがる理由は以上のような理由からだ。だから、このような人たちの「優位感覚」へ調子を合わせるために、Web会議は「顔出し」でしたほうがいいのは間違いない。
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