首都圏の鉄道会社、決算はどうだった? 新型コロナの影響でこれからはやっぱり(4/6 ページ)

» 2020年05月11日 10時01分 公開
[小林拓矢ITmedia]

関連事業が力になっている京成

 京成電鉄は新型コロナの影響を大きく受けた鉄道会社といえるだろう。屋台骨「スカイライナー」の利用減が、経営にダイレクトに響いてくる。「第4四半期に入り新型コロナウイルス感染症の影響により大幅に下押しされ、個人消費と企業収益は急速に悪化し、雇用情勢に影響が見られるなど、極めて厳しい状況にあります」としている。営業収益は5.1%増となったものの、営業利益は10.4%減、経常利益は17.8%減、純利益は22.1%減となった。

 運輸業では「スカイライナー」増便や、それにともなう関西国際空港などでの割引チケット販売機などの利用促進に力を入れていた。新車の3100形も注目を集めた。営業収益は4.6%増となったものの、営業利益は20.2%減と、収入を新型コロナが食べてしまったという面がある。

京成電鉄はスカイライナーを増便したものの、新型コロナの影響を大きく受けた(出典:京成電鉄)

 流通業は営業利益57.5%増であるものの、京成全体では流通業の占める割合は小さい。不動産業では、マンション販売などが成果を上げ、営業利益は25.6%増。レジャー・サービス業では、1億4000万円の営業損失を出した。建設業では、施設改良工事やホテル新築工事などで10.3%の営業利益増が見られた。

 鉄道以外の事業は好調だったのに対し、本業の鉄道が厳しいという状況が分かる。

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