医薬品情報データベースの開発・研究および販売を手掛けるデータインデックス(東京都港区)は、国内の医師および看護師1654人を対象に「医療システムへのニーズ調査」を実施した。その結果、現状の電子カルテシステムに対するさまざまな課題が判明した。
「現状の電子カルテに対する満足度」においては、6割超が現状の電子カルテシステムに課題を感じていると回答。その主な理由には「動作のスピード」(38.8%)、「情報が見にくい」(27.9%)、「他システムとの連携」(23%)が挙がった。自由回答では「医療用語への変換がおかしい」「カスタマイズ性が低く、融通がきかない」など、システムの完成度の低さを指摘するコメントが寄せられた。
現行システムの使用年数は「5年以上」が48.1%と約半数を占めており、一般企業のソフトウェアサイクルより長いことが分かった。また、大病院ほど「7年以上」という回答が多く、病院の規模が大きくなるほどシステムの老朽化が進行している。同社は「不満点である『動作スピード』の遅さは、老朽化が主要因と考えられる」と分析している。
次期システムで改善したい課題としては、52.9%と半数以上の医師、看護師が「動作のスピード」の向上を要望した。また、自由回答では「変換機能の精度を高めたい」「セキュリティを強化したい」などの声が寄せられた。一方、決裁者は「システム運用費の低下」も重視していることが分かった。
システム導入にあたって苦労した点は、「現場への落とし込み」「システムに合わせた業務の変更」が4割強と多かった。「SEに医療知識が不足している」とのコメントもあり、医療現場を知るエンジニアの不足が浮き彫りとなっている。
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