クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向
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» 2020年07月20日 07時02分 公開

池田直渡「週刊モータージャーナル」:ハリアーはアフターコロナのブースターとなるか? (1/5)

多くの読者はすでにハリアーが今年の大注目モデルであること、そして売れ行き的にもとんでもないことになっていることをご存知のことと思う。7月17日にトヨタから発表された受注状況は、それ自体がちょっとしたニュースになっている。

[池田直渡,ITmedia]

 多くの読者はすでにハリアーが今年の大注目モデルであること、そして売れ行き的にもとんでもないことになっていることをご存知のことと思う。7月17日にトヨタから発表された受注状況は、それ自体がちょっとしたニュースになっている。

1カ月で4万5000台という注文数に達した新型ハリアー

受注金額1800億円

 6月17日に発売されたハリアーは、ちょうど1カ月で4万5000台という注文数に達した。事前予約があったにせよ、この数字はすごい。そもそもの月販目標台数は3100台だから概ね15倍ということになる。

 これだけ売れているクルマなので、たまにはバイヤーズガイド的にグレード構成の話を書いておこう。

 パワートレーンはガソリンユニットとハイブリッドの2種類。どちらのパワートレーンでも全グレードにFFとAWDが用意され、ハイブリッドではその方式がE-Fourになる。内装であるトリムの違いは、下からS、G、Zの3グレードだが、GとZにはレザーパッケージが用意されることを加味すれば、実質的には5グレードになる。トヨタによれば「売れ筋はハイブリッドのFFモデル」とのことだが、トリムの内訳は特にコメントされていない。

ハリアーのレザーシート

 FFの標準シートモデルで価格を比べれば、装備が簡素化されたベースグレードのSで358万円。ある程度の装備を与えられた実質的なお買い得モデルのGで400万円。先代でもウリになっていた、静電タッチパネルの空調スイッチが付いたZを選べば452万円となる。もちろんレザーパッケージやE-Fourを選べばもっと高くなる。最高値はハイブリッドのZに皮トリムとE-Fourを加えた504万円だ。

 順当に考えて、おそらく販売台数のかなりが400万円オーバーということになる。

 仮に平均価格を控えめに400万円としても、ハリアーの単月予約金額は1800億円相当ということになる。年間売り上げ30兆円の巨人=トヨタの中でも、その0.6%に相当する。繰り返すがそれを国内の単一車種が単月で売ったわけで、トヨタの歴史の中でももしかしたら記録かもしれない。

 まあそのへんは、あくまでも受注数で、生産能力には限界があるから、現実的に売り上げが確定する販売台数では、そこまで飛躍した数字にはならないはずだ。実際、おそらく新型と旧型が混じっているであろう自販連の6月の販売台数は4239台となっている。7月の数字がどこまで伸びるのかはちょっと注目だ。

 「アフターコロナの時代、自動車は生き残れるのか?」という問いがあるとすれば、6月の各社の数字を見る限り、まあ大丈夫だといえそうだ。もちろん社によって回復レベルの差はある。しかしトヨタが5月の決算で「アフターコロナの時代に日本経済の牽引(けんいん)役を務める」という意志を見せたことについては、少なくともうウソにはならなそうで、ハリアーの4万5000台はそのひとつの象徴だ。

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