6月8日、売れ行き好調のRAV4に、プラグインハイブリッド(PHV)モデルが追加された。
PHVモデルの追加は、北米でカムリに代わり、トヨタの稼ぎ頭を務めるRAV4ならではの余裕が感じられる。最廉価モデルで469万円から、要するに500万円のクルマなので、そうそうやたらと買える人はいない。
265万円からのガソリンモデル、326万円からのハイブリッド(HV)モデルを売りまくって、すでに記録的な成功を収めている。少々いじわるな言い方をすれば、この上PHVが滑ろうと、痛くもかゆくもない。トヨタとしては売れたって困らないが、どっちでも良いくらいのつもりで作っているはずだ。
トヨタは常々、「どの動力を選ぶかを決めるのはお客さまであって、メーカーではない」と言い続けている。つまりメーカーの責任は、時代時代の環境規制に対応し、マーケットに望まれるクルマを確実にラインアップすることで、どれが良いかを押し付けたところで、それで売れるものではない。マーケットが望むのであれば電気自動車(EV)も出すし、燃料電池(FCV)も出す。
世界の自動車メーカーには「トヨタ」と「それ以外のメーカー」があり、普通のメーカーはどうしたって、「選択と集中」戦略を取る。テスラはEVしか出さないし、日産はできることならEVに集中したいが、思ったように売れないのでやむなくシリーズHVや内燃機関モデルを出している。要するに「ウチはこれで行く」というシステムの選択をするのが普通だ。
ところがトヨタは全部やる。この戦略についてはトヨタとそれ以外というしかないほど、トヨタのやり方は変わっているのだ。その違いが分からないから「トヨタはいつまでもHVにこだわりすぎた」とか、「トヨタは失敗作のFCVに固執している」みたいなすっとこどっこいな意見が出る。
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