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» 2020年07月28日 05時00分 公開

1人1日1万5000円 大盤振る舞いの「雇用調整助成金」を活用しない企業のホンネ休業手当の一部を助成(3/4 ページ)

[中野 裕哲,ITmedia]

書式が簡単になっても、添付書類が準備できない

 雇用調整助成金の申請件数が伸びない理由は、いくつか考えられます。まずは書類を整えるのが難しいことです。助成金の申請書類は確かに簡素化されました。それでも、出勤簿や賃金台帳など、申請のために企業が独自に用意しなければならない書類がいくつかあります。

 出勤簿や賃金台帳などは、そもそも労働基準法で作成が義務付けられている書類であり、人事部があるようなそれなりの規模の会社にいれば、あって当然の書類です。しかし、小規模で、社会保険労務士が顧問にいないような事業者では、こうした書類を作成していないといったケースがあります。こうなると、書類を準備できずに断念する事業者も出てきます。

そもそも休業手当の支給ができないケースも

 休業手当の支払いは事業者の義務です。そして、雇用調整助成金は、まず事業者が従業員に休業手当を支払って、その後、国からその一部が助成される制度です。

 しかし、そうはいっても売り上げが急減している中で、家賃などの支払いを行って、さらに休業手当の支払いを行うというのは、特に資金に余裕がない中小の事業者にとっては死活問題です。

 さらに、判断を難しくしているのが、アルバイトなど雇用保険に加入していない人も雇用調整助成金の対象としたことです。雇用調整助成金は、財源が雇用保険料なので、雇用保険に加入していない人(扶養の範囲内で働くパートや学生アルバイトなど)は通常であれば対象外です。しかし、今回の特例では、これらの人への休業手当も雇用調整助成金の支給対象となっています。経営者のホンネとしては、パートやアルバイトにも休業手当を出し始めたら、休業手当の計算、資金面、さらに手続き面でも対応しきれないということがあるのかもしれません。

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