大手牛丼チェーンの吉野家、すき家、松屋は8月31日まで、都内の店舗でビールなどアルコール類の提供を休止している。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、東京都が酒を提供する都内の飲食店などに対し、営業時間を午後10時までに短縮することを要請した。各チェーンの運営会社が対応に追われた。
吉野家は午後10時より閉店時間が早い一部の店舗では、アルコールメニューの販売を継続するという。
松屋を運営する松屋フーズの広報担当者は「お酒を飲みに入店されたお客さまには申し訳ないが、東京都の要請に従い決断した」と答えた。
すき家は都内の全253店舗でアルコールの提供を休止する。店内のメニューにはシールを貼るなどして対応するという。すき家を運営するゼンショーホールディングスの広報担当者は「都の休業要請の対象から外れ、通常通り(原則24時間)の営業を続けるためにアルコールの販売休止を決めた」と経緯を説明した。
牛丼チェーンが酒の販売を休止した一方、ファミリーレストランの「ガスト」や「デニーズ」「ロイヤルホスト」は、アルコール類の提供を続ける。都の休業要請を受け入れ、午後10時までの営業とする方針だ。
牛丼チェーンとファミレスの対応の違いについて小売・流通アナリストの中井彰人氏は「ファミレスは従業員の労務管理上の理由から、もともと長時間の営業を抑制していた経緯がある。一方で牛丼チェーンは24時間に近い長時間の営業によって利益をあげるビジネスモデルだ。アルコールに対する相応の需要はあったものの、営業時間を短縮することと比べた結果、経営上の判断から酒の販売休止を決めたのではないか」と分析している。
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