それでは、当社が提供するメニュー分析手法の1つであるPI分析(プライス&アイテム分析)を使って、3店舗の「お得度」を分析していきます。
まず、次の条件を設定します。
(1)価格は税込価格を基準とする
(2)3店舗ともサラダ(サラダバー)とごはんのセットを付ける
※やっぱりステーキは、サラダ&スープ&ごはん食べ放題
※ステーキ屋松は、サラダ&スープ食べ放題+ごはん1皿
※いきなり!ステーキは、サラダ1皿+ごはん1皿(スープなし)
それでは、3店舗のメニューカテゴリーとアイテム数を分析していきます。
総アイテム数については、やっぱりステーキが44品、いきなり!ステーキが47品、ステーキ屋松が50品と、3店舗とも40〜50品程度で大きな違いはありません。しかし、カテゴリー別に見ていくとその構成に大きな違いがあります。
例えば「ビーフステーキ」というカテゴリーでメニューを見ると、やっぱりステーキが29品、いきなり!ステーキが14品、ステーキ屋松が32品となっており、いきなり!ステーキのアイテム数が最も少ないことが分かります。これは同店の経営戦略に起因しています。運営会社であるペッパーフードサービスが20年7月31日に発表した中期経営計画を確認すると、次のような記述があります。
「いきなり!ステーキ事業:ステーキレストラン市場の拡大を牽引(けんいん)してきましたが、過剰出店、及び、メニュー施策乱発に伴い店舗収益力が悪化〜省略〜(今後は)メニューの絞り込みを実施し、店舗オペレーションの安定化を目指します」
「お客さまにより満足して頂けるようメニュー数を増やしましたが、結果としてはオペレーションが煩雑化し、原価率が高止まりしてしまいました」
同社のペッパーランチ事業売却は、ニュースなどで既にご存じの方も多いと思います。今後、いきなり!ステーキ事業の再建を目指す中で、メニューの絞り込みを進めていることが分かります。
メニューの種類を増やすと客層の幅を広げることができますが、オペレーションの複雑化を招きます。
一方、メニューの種類の絞り込みはお客さまの「飽き」につながる可能性が高いため、同店では「トッピング」メニューの充実を図っています。3店舗の中で最も多い9品ものトッピングをメニューで用意しています。
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