次に3店舗で一番「お得」なメニューを分析していきます。
各社のメニューやお肉の重量などが異なりますので、サラダ、ごはんをセットにした場合のステーキ1グラム単価を算出してから分析をしていきます(ここで紹介するのはディナータイムの価格です)。
<各店舗の一番安いメニュー>
やっぱりステーキ:「赤身ステーキ300g」(1480円)=1グラム単価4.9円
いきなり!ステーキ:「ワイルドステーキ300g」(1914円)=1グラム単価6.4円
ステーキ屋松:「松ロースステーキ300g」(1350円)=1グラム単価4.5円
このように、ステーキ屋松の1グラム単価4.5円が最も安いことが分かります。なお、3店舗に共通するのは、300グラムが一番お得ということです。
次に、各社のビーフステーキの価格構成を見ていきます。
やっぱりステーキは、最下限価格が1グラム単価で4円台に設定されていますが、8円台が10アイテムと最も多くなっています。つまり、「低価格層」と「ぜいたく層」のニーズに対応できています。さらに「沖縄の“しめ”ステーキ文化」の影響もあってか、ビール、ワイン、チューハイ、泡盛などアルコールメニューが9アイテムと3店舗中で最も多く、「ちょい飲み層」にも対応しています。そして、冒頭でも述べましたが広めのテーブル席を設けることでファミリー層までも取り込んでいます。
いきなり!ステーキは、最下限価格を1グラム単価で6円台に設定しています。また、8〜11円台の高価格帯に10アイテムがあります。さらに、他2店舗には存在しない14〜15円台に国産牛ステーキを2アイテム設置するなど、「肉質にこだわる客層」に向けたメニュー構成になっていることが分かります。
ステーキ屋松は、最下限価格を1グラム単価で4円台に設定しています。また、8円台以下の低価格帯に11アイテムと最も多い数を設定しており、「低価格層」に向けたメニュー構成になっていることが分かります。さらに、同店ではコンボ(合い盛り)、チキンステーキ、ハンバーグ、カレーなど幅広いメニューを用意しており、「ビーフステーキ目的以外の客層」も取り込んでいます。こうしたメニューカテゴリーの拡大戦略は、松屋の運営で培った高いオペレーションシステムがあるからこそ成せる技でしょう。
やっぱりステーキは、「サラダバー&スープ&ごはん食べ放題」という衝撃的なコストフォーマンスを誇っています。しかし、価格帯だけ見るとステーキ屋松が最も安さを感じさせるメニュー構成となっています。
ただ、先ほども述べましたが、ステーキ業態は非常に原価率が高いビジネスモデルです。ここで皆さまは「なぜ松屋の運営会社はこんな原価率が高い業態にチャンレジするのか」という疑問を抱いていないでしょうか?
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