金融機関のデジタル活用〜デジタル活用のヒントを探る〜
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» 2020年08月21日 12時00分 公開

金価格上昇をどうみるかKAMIYAMA Reports(1/3 ページ)

このところの金価格の上昇は、「2019年年央に始まった米国実質金利のマイナス領域入りがしばらく続きそうだ」、と投資家が認識したことによる、とみている。実質金利とは、金利から物価上昇率を引いたもので、このレポートでは「実質金利=米国10年国債利回り−物価(CPI、食品・エネルギー除く)上昇率」としている。

[神山直樹,日興アセットマネジメント]
日興アセットマネジメント

米ドルの代替:実質金利マイナスとコロナ後の不透明感で

 このところの金価格の上昇は、「2019年年央に始まった米国実質金利のマイナス領域入りがしばらく続きそうだ」、と投資家が認識したことによる、とみている。実質金利とは、金利から物価上昇率を引いたもので、このレポートでは「実質金利=米国10年国債利回り−物価(CPI、食品・エネルギー除く)上昇率」としている。

金価格と米国実質金利の推移

 一般に米国の実質金利が低下すると、金(米ドル建て)価格が上昇しやすいとされる。厳密に証明する事は難しいが、将来の消費のために米ドルを貯蓄する場合、インフレに応じて金利が高ければ、将来の購買力を預貯金で維持できるが、インフレが予想される割に金利が十分高くない(実質金利が低い)と考える場合、金利よりもモノのほうが(金価格がインフレと連動すると保証はないが)魅力を増したように見える。

 しかも、実質金利がマイナス(グラフ赤枠)になると、(今のインフレ率が将来も続くのであれば)金利が低すぎて将来の購買力が減る恐れがあるので、価値を保全したいと思うなら、何か短期金利以外のものに投資をしたくなる。感染者数が増え続け、FRB(米連邦準備制度理事会)は緩和継続のコメントを続ける中、この状態は長く続きそうだとの見方も金価格を押し上げる。

 購買力を金で維持できる、という証拠に乏しいことに注意が必要だ。米国の物価と金価格の連動性は、歴史的に常に高いわけではない。つまり、そうした連動性を前提とした投資はリスク・テイクだ。価値を保全するだけなら、実質金利が低くても(コストが掛かるが)債券投資の方がその目的に合致する。

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