クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

レヴォーグで提示されたスバルの未来池田直渡「週刊モータージャーナル」(5/5 ページ)

» 2020年08月24日 07時00分 公開
[池田直渡ITmedia]
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 さて、筆者が仮にスバル・ディーラーに新型レヴォーグを買いに行ったとしよう。セールス氏に「旧型なら100万円お値引きしますよ」とささやかれたとしても、旧型は買わない。それぐらい新旧は違う。旧型オーナーには申し訳ないが。正直比較にならない。それはちょうど、トヨタのTNGA世代とそれ以前が全く別物のようにだ。

 そして、このシャシー性能に注力したスバルの改革は、本当にスバルに相応しい戦略だと思う。すでに何度も書いてきているが、フラット4の余命はそう長くない。CAFE規制の今後を見れば、少数生産の特殊エンジンとして生き残ったとしても、いつまでも主力ではいられないだろう。その時「スバルの走りとは何か?」と問われたとして、このレヴォーグのSGPセカンドジェネレーションには十分な説得力があり、スバルがスバルでい続けられる理由が相当に明確になったといえる。

 おそらく、「SUBARU技術ミーティング」で明かされた通り、xEV計画がこれから徐々に発表されていくだろう。それはエンジン、モーター、バッテリーの順列組み合わせによって、マイルドハイブリッド、ストロングハイブリッド、プラグインハイブリッド、レンジエクステンダー、シリーズハイブリッド、EVなどをコンポーネント方式で柔軟に生み出していく計画だ。例えEVになっても、スバルらしい走りを生み出すシャシーがあれば、時代に応じたパワートレインの連続的な変化に追随していくことは十分に可能だと思える。

 さて、そろそろ文字数がいっぱいだ。来週はこれまた驚愕(きょうがく)の次世代高度運転支援(ADAS)アイサイトXについて書く予定である。

筆者プロフィール:池田直渡(いけだなおと)

 1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。

 以後、編集プロダクション、グラニテを設立し、クルマのメカニズムと開発思想や社会情勢の結びつきに着目して執筆活動を行う他、Youtubeチャンネル「全部クルマのハナシ」を運営。コメント欄やSNSなどで見かけた気に入った質問には、noteで回答も行っている。


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