昨秋の東京モーターショーでベールを脱いだ、新型レヴォーグのほぼ生産型といえるプロトタイプに試乗する機会を得た。
クルマに乗って、スラロームコースをゆっくり走っただけで、とんでもないその進化の片鱗(へんりん)は感じ取れた。速度を上げる。びっくりした。新旧のレヴォーグは、産業革命以前と以後くらい違うものだった。
思い返せば、筆者は2019年2月に「スバルよ変われ」という記事を書いて以来、スバルに対して説教のような記事をシリーズ的に書いてきた。
どうやら、もうそういう記事を書く必要はなくなったのかもしれない。特に「続・スバルよ変われ」の前後編で、語るに語れないまま、誠実にあの時点で言えることを伝えてくれたSTI社長兼スバル技監(当時)である平川良夫氏の言葉の意味が、新型レヴォーグに乗った今、氷解するように思えている。つまり「スバルは変わった」のだ。それも意思を持って。
平川氏のインタビューからポイントを抜き出そう。
今スバルが始めているのは、私が10年以上前に提案した方法なんですけれど、普通はフロントストラクチャー、サイドストラクチャー、センターストラクチャーっていうストラクチャー単位で作ります。この骨格をインナー面とアウター面で最初に接合してからセンターストラクチャーにくっつけると面でしか接合できないんです。インナーの骨格を先にセンターストラクチャーに組み、あとからアウターと合わせるやり方、インナーボディコンと呼んでいますが、これだと強度が上げられます。〜中略〜そのやり方だとアウター側のパネルのパッケージの自由度が上がります。
この時、ぼんやりと提示されていた新時代のスバルについて、追加の説明が加えられたのは2020年1月20日の「SUBARU技術ミーティング」だった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング