Appleの技術戦略には、インターネットビジネスのトレンドを先取りするヒントが隠れています。多くのユーザーに愛されるApple製品に搭載される技術/コンセプトは、瞬く間に世の中に普及する可能性が大きいからです。
そんなAppleが今秋にリリース予定の「App Clip」。リアル世界からオンライン領域へのユーザー流入を促す仕組みとして期待されますが、劇的な起爆剤になるでしょうか?
IoT(Internet of Things)やOMO(Online Merges Offline)という言葉が生まれて数年たち、今やIT企業だけでなく、どのような企業であれインターネットを意識せずにはいられない時代です。ところが、いざインターネット界隈のトレンドを理解しようとしても、あまりにも多くのアイデアや技術があふれていて、非IT企業にとっては少々目が回ってしまうこともあるはずです。
そんなときは、Appleの技術戦略を観察すると、ヒントがあるかもしれません。同社は必ずしも独創的な技術を武器に成功した企業ではなく、優れた技術を厳選しApple経済圏に取り込むことにも強みを持っています。
ひとたびAppleが、世の中の「変化のきざし」を察知し、その厳選した技術/コンセプトを自社製品に取り入れる(つまりその技術に対して「お墨付き」を与える)と、瞬く間に全世界のAppleユーザーが半ば自動的にその技術の体験者となるため、一気にクリティカルマスを超えて普及しうるのです。そして、現在主流な地位を築いているインターネット関連サービスを眺めてみると、Apple厳選のお墨付き技術がもたらした人々の意識・行動の変化に対応し、上手に自社サービスをフィットさせた企業が目立ちます。
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