Appleが今秋にリリース予定のApp Clipという新機能は大きなポテンシャルが想像できます。App Clipはいわば「その時だけ使える瞬間アプリ」です。デバイスに登録されたApple IDやApple Payが自動的に紐(ひも)付けられ、ユーザーはアプリのインストールや会員登録、決済手段の入力などの手間なく、限定的な機能だけが一時的に利用可能となる仕組みです。QRコードやNFCチップなどの物理的なインターフェースや、マップやメッセージなどのiOS定番アプリから起動されます。
スマートフォンをNFCチップにかざすだけで、もしくはマップアプリ上に出るアイコンをタップするだけで、レストランや街の小売店などさまざまな事業者が提供するオンラインサービスにアクセスできます。しかもデバイスに紐着いたApple Payで支払いまで完了します。
App Clipは、人々が生活するリアル領域とオンライン領域の断絶を埋める「出島」として、日常の動線から気軽に、クイックに、ユーザーをオンライン行動に誘導することができるのです。
出島なので(サイズ上限が10MBと限定的)できることは限られていますが、予約、商品選択、購買、決済のような基本的な動作は可能であり、これまではコストの壁やユーザー体験の壁に阻まれてオンライン化が進んでいなかった業種・事業者にとって、ビジネスの幅を広げる大きなきっかけになると思います。
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