【独自】ネスレ日本「ネスカフェ アンバサダー」刷新 他社のスナックやカップ麺提供、商品発注オンデマンド化コロナ禍での需要減から巻き返しへ(2/2 ページ)

» 2020年09月08日 08時00分 公開
[服部良祐ITmedia]
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7月に試験導入、購買単価4倍に

 既に7月から約30のオフィスで試験運用を開始している。まずは年内に1万カ所への本格普及を目指す。ネスレ日本によると、ユーザー(サービスを使っているオフィスの従業員)1人当たりの購買単価は従来の約4倍になっているという。

photo コーヒー以外の軽食や飲料もタブレットを使いオフィスで購入可能に(イメージ、ネスレ日本提供)

 同社でスマイル オンデマンド便を担当するEコマース本部ダイレクト&デジタル推進事業部の山野和登部長によると、同サービスの企画はコロナ禍前の2019年からスタートしていた。ただ、「コロナ禍で会社員が職場に来る頻度も減っている。うちもネスカフェ アンバサダーのテレビCMをストップするなど、積極的なアンバサダー拡大を止めていた。実際、新規の加入者数は(コロナ禍前時点での)予定を下回っている」と打ち明ける。

 一方で同社は本サービスを、オフィスでのアンバサダー獲得の巻き返しにつなげる新施策と位置付ける。「今までだったら(アンバサダーサービスでは)コーヒーなどしか飲めなかったが、新サービスでは外出せずにオフィス内で小腹を満たせる。職場に来る頻度も減っているであろうアンバサダーにとっても負担が減る」(山野部長)。

 先の見えぬコロナ禍で、日本のオフィス環境が一変している現在。オフィス系サービスのはしりだったネスカフェ アンバサダーだが、利便性向上やアイテム数増で、縮小しつつある需要を再び喚起できるか。

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