冒頭に書いた通り、企業が目指す未来は「法人の頭は残すけど、胴体はその都度とっかえひっかえする」という働かせ方です。つまり、企業側には本来「雇用する責任」が存在しているのに、副業を容認すればその責任を放棄できる。企業の責任が、働き手の「個人の自由」という耳触りのいい言葉に置き換わっているという歴然たる事実が存在しています。
例えば、9月1日、厚生労働省は「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の改訂版を公表しました。その中に「基本的な考え方」と「労働時間管理」が記されているのですが、実に微妙です。(以下、抜粋して要約)
【基本的な考え方】
【労働時間管理】
興味のある方はガイドラインを読んでいたただきたいのですが、本来、企業側に責任が課せられている「労働時間の管理」が、「働く人の自己申告」を前提としている。しかも、「上限規制=単月100時間未満、複数月平均80時間以内」と、“さらり”と書かれていますが、これらはいずれも「過労死ライン」です。
思い起こせば、2017年に残業の上限規制を巡る「100時間攻防」がありました。
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