トップインタビュー

サツドラ富山浩樹社長が語る「ウィズコロナ時代のチェーンストア戦略」ドラッグストアから地域コネクティッドビジネスへ (4/5 ページ)

» 2020年10月23日 05時15分 公開
[大久保徳彦ITmedia]

北海道でスタートアップを生むために

――多様性をチームの中に生むことがイノベーションにつながるということか。

 その通りだ。北海道でベンチャー・スタートアップを生み出すポイントもそこにあると考えている。ずっと北海道内の価値観でビジネスを続けてきた人たちが、ある日突然イノベーションを起こせるかどうか。難しいとも思える部分もあるが、EZOHUB SAPPOROを活用して、道外や海外の価値観を持った人たちと接する機会が増えれば、イノベーションはより起きやすくなるかもしれない。

 ウィズコロナ時代にはワークスタイルの変化が進み、首都圏から地域へ人材が流れてきやすくなるはずなので、このインキュベーションオフィスを活用して「場としての北海道」を強くしていきたい。今後の展開として、帯広や釧路など、札幌以外のエリアにも同様に「EZOHUB」を開設していくことも検討している。

phot

――今年の5月にスタートした”えぞ財団”の取り組みについても教えてください

 えぞ財団は北海道を盛り上げたい企業や個人が、共に学び、行動していくためのコミュニティーだ。まずは「北海道の新しい経済メディアを作る」という点を主軸にスタートし、今後はスクール事業や投資事業など活動の幅を広げていく。

 えぞ財団はサツドラではなく私個人としての取り組みになるが、テクノロジーやスタートアップの文脈とは少し離れて、より「地域に根ざした経済コミュニティーを作っていく」というコンセプトにフォーカスしている。

 えぞ財団には、フリーランスなど比較的新しい働き方を実践している人だけでなく、自治体の関係者や、いわゆる伝統的な企業に所属している人も入っている。地域や会社を変えたい人たちの集まりで、組織横断的なプロジェクトによって地域を変えていく取り組みだ。noteに月額課金をしてもらうことで会員(団員)になることができ、既に北海道内外200人以上のメンバーに参加してもらっている。

 北海道では地域のメディアも経済の仕組みも、昭和の仕組みをそのまま踏襲していることが多い。変えていこうとする小さな取り組みは各地にたくさんあるものの、それらの取り組みが北海道全体としてつながっていくことで、より大きなインパクトを生み出すことができると思っている。そのためのコミュニティー作り・仲間作りの場になれば良いと考えている。

phot 北海道を盛り上げたい企業や個人が、共に学び、行動していくためのコミュニティー「えぞ財団」(えぞ財団のnoteより)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.