ブレインストーミングをしている最中に、会話の音声を聞き取って、関連する語彙をAIが画面に表示してくれるツールが登場した。デザインスタジオのBIRDMAN(東京都渋谷区)が開発した「INSPIRATION WALL」だ。
10月21日から東京ビッグサイトで開催中の「コンテンツ東京 2020」にて、INSPIRATION WALLが展示されている
もともと社内でブレストするときに、アイデアを活性化させたいというニーズから開発したという。「ブレストする中で、アイデア出しが停滞したときに、ヒントになる言葉や画像をAIが提示してくれたら便利だ」(BIRDMAN)
会話中に「言葉」という発言があったら、そこから「心」「感謝」といった関連語句を表示する。ニュースサイトなどの情報を学習しているため、「コロナ」という単語からは「Zoom」といった言葉も表示する。
PCにマイクをつないで会議を始めれば、音声を認識して単語に分解。関連する言葉や画像をディスプレイに表示してくれる。スマホ上で設定を変更したり、停止させたりといった操作も可能だ。
サブスクリプションモデルで提供し、月額2万5000円(税別。先着20社1万8000円)。関心を持った企業からは、教育系や医療系など、専門分野に限った単語を表示させたいというニーズもあるという。AIに学習させるコンテンツの提供を受け、カスタマイズすることも検討している。
今後、会議の議事録作成機能も搭載していく。現在は話者判定や、「えー」「あー」といった無意味語句の削除機能はないが、実装を検討していく。さらに、オンライン会議に対応させることも想定している。「オンライン会議で話しているバーチャル背景に、関連語句が自動的に表示されるようにしていくのが理想」(BIRMAN)
議事録は会議完了後、すぐに生成される。精度が向上し話者判定などがうまくいけば、魅力的な機能だ。ここだけでも欲しいという声もあるという
INSPIRATION WALLは、渋谷スクランブルスクエアにある「SHIBUYA QWS」にも展示している。
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