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» 2020年11月03日 08時56分 公開

スピン経済の歩き方:だから、多くのアパレルは苦戦することに (4/6)

[窪田順生,ITmedia]

「生きた在庫」はどこへ行くのか

 もちろん、これは感染拡大の状況がまったく異なることもあるが、ひとつ大きいのが、冒頭で紹介したような「在庫処分」のシステムをうまく活用していることもある。店舗のセールでさばく代わりに、ディスカウントショップやホームセンターなどで「たたき売り」をすることで、かろうじて利益を出しているのだ。

 ただ、こういう「裏ワザ」は薬物と同じで一度使ってしまうとどんどん依存を強めてしまう。つまり、売り上げや利益を確保して表面的な健全さを保つために、「在庫処分」をより効率的に、より巧妙にしていく、という本末転倒な方向へ進んでいってしまう恐れがあるのだ。

 なぜそんなことが言えるのかというと、既に同じ構造で表面的に健全になっているものの、闇がどんどん広がっている反面教師があるからだ。それは、ペットショップだ。

 犬猫等販売業者の数は14年4月1日時点で1万5974件だったが、19年4月1日時点では1万6335件と増加しているように、今やこの国ではちょっと足を伸ばせば、お気に入りの洋服を買うように、犬や猫を購入できる。

 実際、ペットショップに行くと、かわいらしい子犬や子猫が小さなケージに入って、商品として「陳列」されている。新型コロナでおうち時間が増えたことで、ペットを飼う人も増えたという報道もあり、この子犬、子猫たちの多くは欲しがる人の手にわたる。

ペットショップも増えている(出典:ゲッティイメージズ)

 が、「小売」である以上、当然売れ残りが出る。こういう「生きた在庫」は昔は保健所で殺処分された。しかし、現在は犬や猫の殺処分ゼロを掲げて目標を達成するような自治体もちょこちょことあらわられており、飼育放棄などの持ち込みを拒否することもできるようになるなどルールの変化もあって、殺処分は激減している。

 では、自治体が受け入れないとなると、この「生きた在庫」はどこへ行くのか。結論から言ってしまうと「闇」である。その全貌はよく分かっていないのがホントのところなのだ。

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