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» 2020年11月03日 08時56分 公開

スピン経済の歩き方:だから、多くのアパレルは苦戦することに (2/6)

[窪田順生,ITmedia]

リアル店舗大国ニッポン

 今年7月、経済産業省商務情報政策局情報経済課がまとめた「令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる 国際経済調査事業 (電子商取引に関する市場調査)」という報告書の中に、「実店舗の充実度に関する海外との比較」という項目がある。

 『EC化率が我が国よりも高い米国、英国の実店舗の状況と比較したところ、興味深い比較結果が得られたため触れておく。実店舗について、我が国の1店舗あたりの人口は128人であるのに対し、米国は306人、英国は216人と開きがある。飲食料品における1店舗あたりの人口は、我が国の424人に対し、米国2002人、英国682人であり、アパレルでは我が国の904人に対し、米国2274人、英国1624人である』

日米英で比較、実店舗の数(出典:経済産業省)

 あまりそういう意識はなく生きている人がほとんどだろうが、実は日本人ほどさまざまな「店舗」に囲まれて生きている国民はいない。数百メートルおきにコンビニが点在し、ターミナル駅の前にはデパートやファッツションビルや駅ビルが軒を並べ、少し離れた郊外には巨大なショッピングモールもある。そして、それらの施設の中に入る店の顔ぶれは、全国で出店するブランドなので、地域内に同じブランドの店舗が複数あることも珍しくない。

 この傾向は都市部だけではない。周りが田んぼだらけで何もないところにでも巨大スーパーやホームセンターがボコボコ建って、国道のロードサイドには、ユニクロ、ワークマン、西松屋などの日本のどこにでもある店が並ぶ。全国チェーンも飲食店も山ほどできる。巨大ショッピングセンターのテナントをそのまま国道脇に並べたような充実ぶりなのだ。

 ここまで国土の中に店舗というインフラが張り巡らされた国は、世界でも少ない。「過剰」と言ったほうがいいだろう。そのような意味では、まさしくリアル店舗大国ニッポンなのだ。

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