・項目2「在宅勤務実施頻度の変化」 オフィス通勤は8〜9割の回復
有効回答数が少し下がって6028人となっている。これは全回答者6760人の約9割が通勤者という証拠でもある。19年は在宅勤務経験者が17%だった。緊急事態宣言下は66%が在宅勤務を経験し、26%が週5日以上、つまり完全在宅勤務という状態になっている。週4日勤務は週に1度の出勤日がある人、週3日程度未満はオフィスと在宅勤務のハイブリッド状態といえるだろう。在宅勤務は大幅に増えたけれども、約3割は通勤していた。
コロナ終息後の見通しとして、在宅勤務週0日が19ポイントの上昇となった。完全在宅勤務は大幅に減り、頻度別に見ても在宅勤務減少の見通しだ。週2日程度以下が増えているけれども、これは週3日以上の人々の頻度が減ったため、とみられる。
つまり、在宅勤務経験者は増えたけれども、オフィス通勤需要は回復する。ただし通勤頻度は減る。それは項目4「定期乗車券の更新意向」にも現れており、約8割の人々は今後も定期券を更新する。更新しないと決めた人は4.1%だ。これは在宅勤務が増えて定期券購入にメリットがなくなった人の数字だ。このほか、勤務先の方針で見通せない人が12.5%ある。この人々がどう動くか。オフィス勤務主体だとすれば、コロナ禍終息後の通勤需要は元通りの数字に近づく。
定期券を通勤だけに使うとして、つまり、休日の買い物レジャーには使わないとして考えると、買うか買わないかの分岐点は、通勤日数が週4日あるか否かだ。
例えば、たまプラーザ〜渋谷間の通勤定期運賃は9440円、IC乗車券なら片道251円だ。この場合、損益分岐は18日と19日。月あたり19日以上通勤するなら定期券が安く、18日以下ならIC乗車券が安い。回数券の場合は16日以下なら定期券・IC運賃より安い。1カ月30日として、週休2日なら通勤日は22日で定期券の方が安いけれど、通勤日16日、つまり週4日の通勤なら回数券の方が安くなる。
東急電鉄は3カ月、6カ月、12カ月(東急線いちねん定期)の定期券を発行している。これらの定期券の料金を1カ月分に換算すると、3カ月定期券の場合は18日以上で定期券が安く、6カ月定期券の場合は17日以上で定期券のほうが安くなる。12カ月定期券の割引率は6カ月と同じだ。12カ月の「東急線いちねん定期」はクレジットカードと連携するポイント特典が増える。
ただし、長期定期券については、有給休暇の消化や国民の祝日、年末年始の休みなどもあるから算定しにくい。1カ月定期で比較すれば、定期券を買うか買わないかは週4日以上通勤するか否か、となる。
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