マネーフォワード(東京都港区)は11月12日、家計簿ソフト「マネーフォワードME」から確定申告を可能にすると発表した。同社の「マネーフォワード クラウド確定申告」(MFクラウド確定申告)とデータを連携し、個人事業主や副業の確定申告が行える。2021年2月にはe-Tax機能をリリースし、2月からの確定申告に対応する。
特徴は、スマホアプリだけでe-Tax(電子申告)に対応することだ。アプリからマイナンバーカードを読み取り、確定申告書の送信まで完結する。コロナ禍において、税務署に出向いたり紙を印刷して送付したりしなくて済むe-Taxの利用者は1.5倍に伸びた。しかし、ICカードリーダーをPCに接続してマイナンバーカードを読み取らせる必要があり、利用者は195万人にとどまっていた。
「これまでもアプリで申告書まで作れるサービスはあったが、最終的にはPCにデータを移して、ICカードリーダーを接続して電子申告するのが一般的だった。最初から最後までアプリで申告が完了できることで、ハードルを下げた」(マネーフォワードビジネスカンパニーCSOの山田一也執行役員)
ターゲットとするのは、生活費と事業経費を一緒に管理している、個人事業主や副業を行っているビジネスパーソン。個人としての家計簿と事業の経費を合わせてマネーフォワードMEに記録しておき、入金明細の中から事業経費や事業収入の「確定申告フラグ」をオンにする。その後、MFクラウド確定申告にデータを連携すれば、自動的に仕訳が行われる。
データはクラウドで管理されるため、Macでも利用でき、環境を問わない。紙の申告書の印刷も可能だ。
対応する項目は、マネーフォワードMEが入出金を取得している情報。家賃や光熱費などについて、一律の家事按分なども設定できる。ただし株式投資などで確定申告が必要なものなど、一部には対応していない。
MFクラウド確定申告は個人事業者向けの会計ソフトで、月額980円(税別)からのサービスとなる。利用には、ある程度の会計リテラシーが必要とされたが、今回のマネーフォワードMEとの連携で間口が広がった。政府も、テレワークの推進や新型コロナ感染リスク軽減の観点からe-Taxの利用を推進しており、マネーフォワードは新たな顧客を取り込む狙いだ。
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