“ファミマ端末用紙切れ”続出 これから本格化する「Go To Eatプレミアム食事券事業」への懸念ここがヘンだよ「Go To Eat」(1/4 ページ)

» 2020年11月13日 12時21分 公開
[田中圭太郎ITmedia]

 飲食店や生産者などを支援する目的で実施されている「Go To Eatキャンペーン」。この連載では、本当に困っている飲食店のためになっていないことを“トリキの錬金術”や“無限くら寿司”で課題噴出 Go To Eatが飲食店事業者を救わない、これだけの理由で指摘した。

 さらに、ポイントを付与するオンライン予約事業が税金の無駄使いではないかということも“トリキの錬金術”は他でも起きていた Go To Eatオンライン予約事業は「税金の無駄使い」で、お伝えしてきた。【以下の一文を追記:2020年11月13日午後10時50分】11月13日には農林水産省がオンライン予約事業の予算が近日中に上限に達するとして、近くポイント付与を終了すると発表し、波紋が広がっている。

 「Go To Eat」で今後混乱が起きそうなのが、プレミアム付き食事券事業だ。25%のプレミアム分を含んだ食事券を都道府県別に販売するものの、開始時期は地域によってバラバラだ。すでに販売を開始した地域では、食事券がすぐに売り切れてしまうなど、必ずしも多くの人が利用できるものになっていない実情が浮かび上がっている。

 食事券の販売は、10月下旬から販売する地域が増え、11月中には全国に広がる。最大規模の販売額になる東京都で始まるのは11月20日からで、今後さらなる混乱も予想される。現時点での問題点を提起してみたい。

phot 飲食店や生産者などを支援する目的で実施されている「Go To Eatキャンペーン」(農林水産省のWebサイトより)

食事券を販売した各地域で混乱

 「Go To Eat」の食事券事業は、都道府県別に25%のプレミアムが付いた食事券が販売される仕組みだ。予約サイトを通じて予約・来店した人にポイントが付与されるオンライン飲食予約事業に比べると、飲食店にとっては比較的参加がしやすいため、より多くの飲食店が参加できると期待されている。

 しかし、その仕組みはオンライン飲食予約事業とはまた違った意味で複雑だ。食事券を販売する事務局は都道府県別に置かれ、販売方法、発売や利用開始の時期、食事券のデザインもそれぞれで異なる。

 すでに販売し始めた地域では、混乱の状況が報じられている。対面販売をしている地域では、窓口に希望者が殺到し、長蛇の列ができた。

 ファミリーマートで食事券を発券する地域では、端末の用紙が切れて、発券できない店舗が続出している。1人当たり数十枚単位で発券するケースが多いためだ。事前受付をしている地域は即日完売。Web予約を受け付けている地域では、アクセスが集中してなかなかつながらない状況が生まれた。

 最初に販売が始まったのは新潟県の10月5日。10月下旬から販売する地域が増え、11月中を予定している地域も多い。各都道府県の状況は、農林水産省が開設しているGo To EatのWebサイトで確認できる。しかし、キャンペーンの恩恵を受けるはずの飲食店が、参加しづらいという問題が起きているのだ。

phot 食事券を販売する事務局は都道府県別に置かれ、販売方法、発売や利用開始の時期、食事券のデザインもそれぞれで異なる(加盟飲食店として参加したい事業者向けのページ、農林水産省のWebサイトより)
phot 食事券事業の概要(農林水産省のWebサイトより)
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