富士急行に、なぜ乗客が集まるのかガチンコの鉄道(5/5 ページ)

» 2020年11月29日 07時13分 公開
[小林拓矢ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4|5       

地域向けの運行にも本気を見せる

 地域の利用者向けの鉄道運行も富士急行は大切にしている。単線ながらも、列車の交換ができる駅を多く設け、高頻度の運転に対応している。早朝に都内へ向かうために便利な列車や、遅い時間帯に「かいじ」から乗り継いでも深夜に家に帰れる列車も走らせており、ダイヤの設定が非常に細かい。

 地方の鉄道にありがちな紙のきっぷだけではなく、JR東日本との相互の利用を意識してSuicaを導入。一方、バス事業ではPASMOを利用しているが、いずれにせよ交通系ICカードの需要にも対応している状況だ。

 確かに車両は、他社からの譲渡車両を中心としているが、「トーマスランド20周年記念号」や「富士登山電車」など独特の改造車も使用し、多彩な車両を走らせる印象を利用者に与えている。

 多角化していても、決して鉄道事業はおろそかにしない。それどころか力を入れ、地元の人にも観光客にも便利な列車運行を行おうとしている。

 地方でもガチンコの鉄道事業ができ、それで成果を上げているのを富士急行の鉄道事業は示している。

前のページへ 1|2|3|4|5       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.