なぜ石川県の加賀温泉郷に人が集まるのか 「ファンづくり」の裏側モーニング娘。を起用(4/6 ページ)

» 2020年12月05日 07時51分 公開
[後藤香織ITmedia]

旅館や飲食店が協力的に

 加賀さんを観光大使として起用して以来、旅館だけでなく付近の飲食店もどんどん協力的になっていった。これまで温泉郷のプロモーションが恩恵を受けるのは主に旅館だったが、温泉郷の街歩きを誘発すべく、20年1月から加賀温泉郷の飲食店50店が参加した企画『加賀温泉郷ナイトバル』が始まった。これは2枚2000円のチケットを購入することで、各店でお得なオリジナルメニューが味わえるというもの。

 「責任感が強いのか、とにかくたくさんお金を使いたいというファンの方が多い。加賀温泉郷の間でも、モーニング娘。ファンの人は本当にみなさん礼儀正しくてお金を使う方が多いということが浸透しています。いろんなことを面白がってくれるお店の方が多いので、じゃあこんな商品があればもっとファンの方は喜んでくれるんじゃないかと新商品を開発するお店もあります」

「加賀」とカエデの葉をあしらったバウムクーヘン(画像提供:かいねや加賀)

 コロナ禍で「温泉郷にお客さんを呼ぶ」ことが難しくなるタイミングがあっても対応していけるよう、加賀温泉郷のECサイト「かいねや加賀」を立ち上げ、こちらにも加賀さんがイメージキャラクターとして就任した。加賀温泉郷の名産品はもちろんのこと「楓」をモチーフとしたマスクや、前述の「赤」を使用したグッズなど、さまざまなものが売られている。女性アイドルのファンと聞くと男性を連想するかもしれないが、購入者の約8割は女性だという。

 11月14〜15日には加賀温泉駅開業50周年を記念して、加賀温泉駅50周年フェスタが開催された。その際にも限定で「カエデの葉をあしらい、メープル(楓)シロップでいただくプリン」など、各店が率先して開発したさまざまな商品販売なども行われた。

 この日は加賀さんも加賀温泉駅1日駅長として加賀の地を訪れ、グッチ裕三さんとのトークイベントや現地の小学生との出発式に臨んだ。

(画像提供:REACH)

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