さて、ここまではハード面を見てきたが、ここからは企業の取り組みなどを見ていこう。
20年は、新型コロナによって今までなかなか導入されていなかった在宅勤務が一挙に進んだ年であった。従前は、一部の限られた人しか利用されなかった、あるいは許可されていなかった在宅勤務だったが、緊急事態宣言が発令されてからは、強制的に在宅勤務となった企業も多かったことだろう。在宅でも仕事ができるように、環境整備や新たな手当の支給など、総務の現場が主導して一挙に環境と制度が整えられていったはずだ。
また、在宅勤務の実現のためにデジタルトランスフォーメーション(DX)も加速度的に進み始めた。こと総務に関しては、在宅勤務を阻害する3大課題、「押印」「代表電話」「郵送物対応」をテクノロジーで解決できるソリューションの導入も進んでいる。在宅勤務から程遠いと思われがちな総務部署でも、フルリモートを実現できた企業もある。
在宅勤務、あるいは、コワーキングスペースやサテライトオフィスというサードプレースでの仕事、さらには、リゾート地で行うワーケーションなど、働き方、働く場の多様化も一挙に進んでいる。その結果、全てがそろった「万能型オフィス」から、特定の機能、特にリアルで集まる必要がある仕事に特化した「機能特化型オフィス」の構築を検討する企業も増えてきている。つまり、今まではオフィスはあって当たり前、出社することが当然だった世界から、オフィスの存在意義が問われた1年でもあった。
また、オフィスでの感染も多いことから、安全性の確保も大きなテーマとなった。密を避けるために、出社率を30%や50%に抑えることや、席を間引くなどの工夫をしている企業も多い。あるいは、コピー機など機器を使ったらすぐ消毒、マスク着用の義務化、検温や手洗いの励行など、ニューノーマルの働き方がかなり定着してきた。
筆者が編集長を務める月刊総務の調査では、在宅勤務が常態化し、出社率を抑えることでオフィスの床面積削減を検討している企業が、約7割にのぼることも分かった。契約期間満了をもって、多くの企業がオフィスの縮小に走るとみられている。その分、賃借料、光熱費、定期代がコストカットできることになる。ただ、これを単純なコスト削減として喜ぶのではなく、総務としては、社員のエンゲージメントが高まる仕掛け投資する、在宅勤務の環境を良くする、そんな戦略的投資に回したいものだ。
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