なぜ? 首都圏で「通勤向け特急」が増えている背景JR東が特急「湘南」を運行開始(4/5 ページ)

» 2020年12月24日 08時33分 公開
[小林拓矢ITmedia]

JR東日本は通勤特急の時代へ

 一方、中央線特急のE351系やE257系はE353系に置き換えられ、「あずさ」「かいじ」だけでなく、「はちおうじ」「おうめ」といった新しい列車が登場した。「はちおうじ」は東京〜八王子間、「おうめ」は東京〜青梅間の列車だ。「中央ライナー」「青梅ライナー」を置き換えた格好だ。

 そして来春、「湘南ライナー」を始めとする東海道本線方面のライナー列車は、特急「湘南」へと変わる。

 「湘南ライナー」は、数ある通勤ライナーの中でも人気の高い列車である。しかし使用されていた車両の多くが、老朽化した185系や、2階建て車両ながらもボックスシートの215系となっている。185系は国鉄時代の車両で、その全車両を中央本線や房総方面への特急車両だったE257系に置き換えるのを機に、「湘南ライナー」は特急「湘南」へと格上げされるのである。

 中央本線に新車が入り余剰となったE257系が、今年の3月に「踊り子」へ導入された。そのタイミングで「えきねっとチケットレスサービス」への対応、湘南や伊豆の海をイメージした座席への変更、充電用コンセントの設置といった改造を行った。来春にはすべての車両が置き換わり、「湘南」はこの車両を使用する。

 朝の時間帯は、小田原や平塚から品川や東京、新宿へ向かう列車が運行され、夕方や夜間は東京や新宿から小田原へと向かう列車が運行される。東京発のダイヤは、18時00分から23時00分まで毎時00分と30分で、利用しやすい。また大船から国府津までの停車駅は、細かく設定されている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.