これまでのノウハウが、まったく通用しなくなったのだから、培ったノウハウが、役に立たないのだ。広告やマーケティングにおいても、考え方やツール、手段はこれまでとは一新され、新しい手段を取り入れることが必要になった。
とはいえ、すぐに変えることなど、できるわけもなく、クライアントと共に、何から行えばいいのか、試行錯誤の2020年だった。
さらに、仕事自体の進め方も一変した。テレワークが当たり前となり、昭和営業お得意の、対面で関係をつくっていくことができなくなった。そうなると、必要なビジネススキルも変わる。プレゼンテーションのドキュメントづくり、メールやチャットの文章力、理路整然としたロジックの語り、など、これまでも必要とはされてはいたものの、あくまで補助的だと高をくくっていた人も多いのではないか。今、これらがないと話にならない。
これまでドキュメントやプレゼン資料などを部下に丸投げしてきた上司はほんとに困っているのではないか。こういうのは、わかっていたことではあるが、改めて「コロナで露呈」した、いちばんかわいいところか。
そういう意味では、やっと、上司は上司らしく、経営者は経営者らしい仕事をしなければならなくなったということか。
本当は上司なりに、今後のビジネスの戦略や、アフターコロナのビジネスをどうするかを考えなければならないのは明らかなのだが、これまで、過去の実績ばかりを自慢してきた上司は、残念ながら、どうしていいかわからない。過去の実績といっても、多くはバブル期の自慢話だったりするため、そもそも本人の手柄ではない。自分の力ではないのだから、自分で戦略を考えることなどできるはずはない。まさに「コロナで露呈した」のだろう。
実際に、オンラインのなかで、新しい商談をまとめたり、大きなプロジェクトを進めたりできている人はたくさんいる。
つまり、これまでに確実に、プロジェクトマネジメントのスキルを身につけ、メンバーや顧客との信頼関係を築いてきた人は、手段や環境がどうなろうと力を発揮しているのだろう。
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