オール電化やタワマンを見れば分かる EV一辺倒に傾くことの愚かさとリスク:高根英幸 「クルマのミライ」(3/7 ページ)
報道などでは見かける「軽自動車はどうなるのか」などの話題も、これまでの経済構造をベースにした考えから脱却できていないあたりに古い体質、頭の堅さ、発想の貧困さが見え隠れする。
目的と手段を間違えないようにしたい。クルマの電動化を進めるのは、温室効果ガスの排出を減らし、気候変動を食い止めるためだ。エンジン排気量とボディの寸法で決まっている軽自動車規格など、いくらでも変更が効く。事実これまでも360ccから550cc、そして現行の660ccへと排気量とボディサイズは拡大されてきた。
もうそろそろ理論上の話から、リアルな現実、そして近い将来の実現性について情報をキチンと分析した上で議論をすべき時だ。かなり長期的に見れば、クルマの動力源はモーターへと収束していくのかもしれないが、そのためには乗り越えなくてはならないハードルがいくつも存在するからだ。
ここで考えるのはモーターやインバーター、バッテリーの性能の話ではない。そんなことより根本的な問題が待ち構えているのである。
マツダが発売したMX-30 EVモデルのシャーシ。バッテリーやモーターの高性能化や供給能力ばかりが話題になるが、EV普及の問題点は充電設備網の充実化と発電能力の増強が前提になっていないことだ(写真:マツダ)
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