飲食店の多くは苦戦しているのに、なぜキッチンカーは“右肩上がり”なのか水曜インタビュー劇場(アツアツ公演)(2/6 ページ)

» 2021年02月03日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

「飲食店」業者の登録が増加

土肥: キッチンカーと空きスペースをマッチングさせるSHOP STOPのサービスは2016年にスタートしていますよね(当時:TLUNCH)。単なるマッチングサービスであれば、他にも存在していますが、Mellowは一歩踏み込んでいるところがユニーク。毎日、拠点別にデータを管理していて、「この店はこのくらい売れた」といった情報を把握している。その情報はキッチンカーの事業者にも提供しているので、何が悪かったのかを分析して改善することができるんですよね。

 改善している様子は、数字にきちんとあらわれていて、1店舗・1日当たりの平均売上高を見ると、スタート時の16年度は3万3299円だったのに対し、17年度は4万8106円。なんと、1年で144%も伸びました。しかし、新型コロナの感染拡大によって、オフィス街でサラリーマンの数は激減し、平均売上高は4万円前後になったそうで。多くの飲食店が苦しんでいるなか、「20%減にとどまっている」という見方もできるわけですが、個人的に気になるのは、登録店数が右肩上がりで伸びていること。なぜ、こんなに伸びているのでしょうか?

SHOP STOPの登録店数が増えている背景に何が?

向: コロナ前、どういった人たちが登録していたのかというと、「個人」だったんですよね。飲食経験がなかったり、脱サラをしたりして、キッチンカーを始める人が多かった。なぜ個人の方が多いのかというと、初期投資が少なくてすみますし、簡単にできそうといったイメージがあるからかもしれません。

 で、感染者が増えていくなかで、どのような変化があったのか。「テレワークを導入する企業が増えてきた。オフィス街で人が減ってきたので、キッチンカーを運営するのは厳しいかな」と感じて、開業を控える人が増えるのかなと思っていましたが、コロナ前と同じくらいのスピードで伸びているんですよね。

 また、4月に発出された緊急事態宣言後は「個人」だけでなく、「飲食店」業者も大きく伸びてきました。「飲食店の登録は増えるだろうなあ」と思っていましたが、その予定が早くなったと受け止めています。

土肥: 予定が早くなった? どういう意味でしょうか?

燻製スギヤ商店さんの「燻製ローストビーフのドライカレー」

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