土肥: 新型コロナの感染拡大を受けて、これまで主戦場だったオフィス街だけでなく、マンションにも展開したわけですが、そこでもデータ活用は進めているのでしょうか?
向: マンションでの展開はこれまでほとんどやってこなかったので、データはそれほど蓄積されていません。というわけで、いまはデータよりもリアルを重視しています。現場に足を運んで、どんな状況になっているのか。出店している人にヒヤリングなどを行って、今後どう戦っていけばいいのかなどを考えなくてはいけません。
先ほども申し上げましたが、コロナ前はマンションで展開することは難しかった。しかし、いまは場所によって夜も営業しています。このような話をしても、「いやいや、夜に営業しても売れないでしょ。家で晩ご飯をつくるんだから」と思われたかもしれませんが、家で一日中仕事をして、夜に仕事が終わる。そこから晩ご飯をつくるって大変ですよね。「炊飯器でご飯は炊くので、おかずを購入したい」といったニーズは高く、あるキッチンカーで惣菜を販売したところ、予想以上に売れました。
また、オフィス街で週末営業しても苦戦するところが多かったのですが、マンションは違う。在宅率が高いこともあって、週末は好調なんですよね。このようにやってみて分かってきたことはたくさんあるので、これからどんなことができるのか、考えながらやっていきたですね。
土肥: ふむふむ。最後の質問です。登録数が1000店を超えたわけですが、今後は1500店、2000店と目指していくのでしょうか?
向: 首都圏で試算したところ、2000店ほどまで増やせるのではないかと思っています。ただ、出店数の目標は掲げていなくて、店の質を高めることにチカラを入れているんですよね。
土肥: 「この味はもっとこーしたほうがよいよ」といったアドバイスをするのですか?
向: いえ、そうではなくて、開業前に何かできないかと考えています。例えば、「キッチンカーをやれば行列ができるので。できるだけ速く出せるメニューのほうがいい。じゃ、カレーがいいかな」といった考えの人が多いんですよね。もちろん、提供スピードは遅いよりも速いほうがいい。それにしても、なぜ多くの人が「速い」ことにこだわっているのか。ちょっと調べたところ、キッチンカーを扱っているクルマ屋さんの影響を受けていることも分かってきました。
土肥: クルマ屋さん? どういう意味でしょうか?
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