飲食店の多くは苦戦しているのに、なぜキッチンカーは“右肩上がり”なのか水曜インタビュー劇場(アツアツ公演)(6/6 ページ)

» 2021年02月03日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]
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「カレーを出せばもうかる」説は本当か

向: キッチンカーを始めようと思っていたある人は、クルマ屋さんに相談したところ、このような答えが返ってきたそうです。「カレーは速く提供できるので、もうけている人が多いみたいですよ」と。もちろん、すべての業者さんがこのようなことを言っているわけではありません。ほとんどのところは誠実に対応されていると思うのですが、一部の業者は「カレーを出せばもうかる」「速く出せる料理を出せば稼げる」といったことを言っているようで。

土肥: クルマ屋さんからすれば、キッチンカーでもうかるかどうかは関係なく、扱っているクルマが早く売れるかどうかのほうが重要ですものね。

せいとうの熟成和牛ハンバーグ

向: ただ、現実は甘くありません。クルマを買ったものの、うまくいかずに廃業するケースがあるんですよね。このような負のスパイラルを断ち切るには、どうすればいいのか。開業前に、できるだけコミュニケーションをとっていかなければいけません。料理の提供スピードよりも、こだわった料理を提供したほうがいいので。

土肥: ヘンタイになることでしたね。

向: はい。とある女性も、当初「カレーを提供したい」と言っていましたので、営業を始める前に、いくつか質問をさせていただきました。キッチンカーでなにがしたいですか、なにができますか、ご自身しかできないものはなんですか――。このような話をしていると、出身地の話になりました。彼女は福岡県の門司港で生まれ育ち、現地では「焼きカレー」が有名であることも分かってきました。門司港出身の人がつくる「焼きカレー」と聞いていかがですか?

土肥: 興味がわきますね。食べてみたい。

向: 普通のカレーを提供するよりも、インパクトがありますよね。彼女は「焼きカレー」をつくることにして、いまでは人気店になりました。もちろん、味もおいしいです。

土肥: じゃあ、ワタシは大阪出身なので、お好み焼きとかたこ焼きですかね。うーん、いまひとつストーリー性に欠けるなあ。難しい(笑)。本日はありがとうございました。

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